日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『青高チア部はかわいくない!』
『青高チア部はかわいくない!』 第1巻
conix KADOKAWA ¥680+税
(2017年7月24日発売)
ポップな絵柄が目を引くこの作品。
ところどころに入るチアダンス解説は、見ているだけでかわいらしくて楽しい。
その一方で、ストーリーはゴリゴリの熱血青春ものだ。
青高のチア部は、昨年度のきつすぎた先輩たちへの反動で、明るくモテそうな部活を目指していた。
なかでも3年生の部長・真泉舞(まいずみ・まい)はかなり浮ついており、まわりのひんしゅく買いまくり。
1年生で入部した(させられた)のは、安達杏(あだち・あん)。高校デビューに命をかける少女。
ゆるいに違いないと思っていたところ、舞たちの練習はめちゃくちゃハード。
チアの訓練量に対する基準値の、認識が決定的に違ったのだ。
自然と杏ら1年生を威圧してしまう舞。ついていけなくてイラだちが募る杏。
女子部内のひりついた空気が再現されている。
ただ、キャラクターをキュートなギャグマンガ調にしたことで、重さを緩和。
すれ違いの末にみんなが技術を習得していく高揚感が強調されており、非常に読みやすい作品に仕上がっている。
チア部とはいったい何をするのか。
そもそも応援が何の役に立つのか。かわいく見せる必要はどこにあるのか。なぜ必死に練習するのか。
なかなかわかりづらいチアの本質が、特に第6話で鮮明に描かれている。
「かわいくなる」ための努力と自信が、自分を鼓舞し、相手を励ますことにつながっていく。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」