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9月28日は「世界狂犬病デー」 『スーパードクターK』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/09/28


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

9月28日は世界狂犬病デー。本日読むべきマンガは……。


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『スーパードクターK』 第12巻
真船一雄 講談社 ¥379+税


なんらかの病原体が動物から人間へ感染する病気を「人獣共通感染症(ズーノーシス)」と呼ぶ。
そのなかでも知名度が高いもののひとつが、いわゆる「狂犬病」だ。

キャリアとなった動物に噛まれることでウイルスが筋肉、神経、そして脳へと徐々に侵行して生命維持機能が壊されてしまい、いったん症状が出れば100%死に至るとされる。
日本獣医師会いわく、イラクで発掘された紀元前2300年の法典には狂犬病で人が死んだ場合の補償に関する文章があるというが、それほどに大昔から世界各地で認知されていながら21世紀の今になっても治療法が確立されていない、やっかいな病である。

今は主にアフリカとアジアで毎年万人単位の死者を出している狂犬病への対策は、発症を事前に防ぐことのみ。治療は無理だが、ワクチンがあるため予防自体は難しくない。
その知識を世界中へ広め、撲滅を目指そうという主旨で研究者たちの世界団体が翌年に定めたのが、「世界狂犬病デー」だ。
WHO(世界保健機関) やOIE(国際獣疫事務局) など世界レベルの保健機関が認める国際記念日となり、2008年以降は9月28日にあてられている。

さて、マンガの世界では、動物や医療をテーマにした作品で狂犬病を見かけることがある。
今回ピックアップしたいのは、『スーパードクターK』。
『北斗の拳』『ジョジョの奇妙な冒険』第3部のキャラもかくやという屈強な肉体作画で描かれる超人的医療技術の持ち主「KAZUYA」が世界をまたにかけて難病や重傷に立ち向かい、人々を救ったり悪徳医師と対峙したりする、過激にドラマチックな医療ドラママンガだ。

「週刊少年マガジン」で1988年から10年近くにわたり連載され、単行本は全44巻あるが、そのうちの12巻目(文庫版は第6巻)に狂犬病を題材とした前後編「山神のたたり?」「狂える包囲網を破れ!」が収録されている。

とある地方の村で、山に入った人間が帰ってくると苦しみ悶えて狂い死ぬ現象が次々と起こり、村人は「たたりじゃ!」と恐怖におびえていた。
「K」はウィルスの介在を疑い、調査のため自ら山にふみこむが、そこで凶暴な小動物に襲いかかられ、足にガブリと咬みつかれてしまう。
動物は激しくけいれんしてバタリと倒れ、死亡。見れば、それはアライグマ。脳をひらいて検査したところ、なんと狂犬病に侵されているではないか!
そう、狂犬病はなにも犬だけに感染するわけではない。猫でも牛馬でも豚や羊……そして人間にだって感染する。
ペットブームのなか、珍しいもの好きに飼われていたアライグマが山に捨てられ、それがつがいとなって増えたあと狂犬病にかかったらしい。

これがたたりの正体か!と見抜いた「K」。
自分も発症する前にワクチンを調達しなくてはならないが、逃げこんだ山小屋の外へ出ようとした矢先、妙な気配を察知する。見わたせば、同じく狂犬病を発症しているアライグマの群れに建物が囲まれている!
怪我で歩けない「K」は、予防接種を受けている愛犬シリウスに手紙をくくりつけ、村に届けさせる作戦を実行。
はたして、狂乱する大量のアライさんが「うー! がおー!」 と襲ってきてどったんばったん大騒ぎする恐怖の包囲網を突破し、シリウスは無事に助けを呼びにいけるのか!?

……と、わずか2話でアニマルパニック映画を1本まるまる見るような濃い内容となっている。

本作で狂犬病にかかるのが予防接種を受けていないアライグマと人間で、犬は登録制の義務にしたがってきちんと処置してあるから大丈夫、という状況設定が示唆深く、「世界狂犬病デー」に読むにはうってつけのエピソードといえる。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメやマンガ、成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム35年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論 増補改訂版』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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