日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ギャルごはん』
『ギャルごはん』 第2巻
太陽まりい 白泉社 ¥600+税
(2017年10月27日発売)
『おしえて!ギャル子ちゃん』『はじめてのギャル』など、マンガ・アニメ・ゲームのギャル人気が高まるなか、新たに登場した必見キャラが『ギャルごはん』のヒロイン・岡崎みくだ。
褐色肌に金髪、怖いもの知らずな言動を繰り返す岡崎を、周囲の生徒は少し怖がっていた。家庭科の男子教師・矢部真司も、苦手に感じていたひとりだった。
しかしいっしょに調理をした時、彼女がものすごくまっすぐで誠実な、がんばり屋だとに気づく。
矢部は触発されて、料理研究部を発足。若い男性教師とJKの、1対1の調理実習が始まる。
明るく活発、後先かえりみず行動する、すべてをおもしろがるなどなど、ポジティブさの塊としての「ギャル」の魅力が、これでもかと詰まっている作品だ。著者が理想のギャルを求めて描いているというだけあって、岡崎はほとんどの回で、太陽のように笑顔をキラキラさせている。
第1巻後半から、岡崎はなついていたネコ状態から、恋する乙女に変わっていく。
ギャルキャラの長所であり欠点なのが、遊んでいるように見えること。どうしてもほかのキャラから、性的な方向にふわついているビッチだと取られてしまいがちだ。
実際はものすごいピュアな岡崎。もっとも彼女自身そのギャル的露出度で、性的に迫るようなジョークで矢部をからかってしまっている。ああ岡崎さん、そのアプローチ、先生には逆効果だよ!
だからこそなのか、岡崎の素朴な部分が見え始める第2巻では、矢部がときおりドキッとさせられている。
2人が農家のお手伝いに行く回がある。野菜を協力して収穫するさまを見て、農家夫婦はニヤニヤ。
おばさんいわく「私はお父さんを胃袋でゲットしたからね みくちゃんもお料理がんばりよ」
最初の頃はお米に洗剤を混ぜていた岡崎も、今はかなりの料理の腕前になっている。
食をいっしょにすると、仲は深まりやすいもの。愛情も、伝わりやすいはず。
なのにまだまだ矢部は気づいてない様子。みくちゃんお料理がんばりよ!
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」