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『亜人』 第10巻 桜井画門 【日刊マンガガイド】

2017/05/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『亜人』

  
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『亜人』 第10巻
桜井画門 講談社 ¥590+税
(2017年4月7日発売)


アニメ化の次は実写化だ!
今年秋に公開されるという映画版『亜人』は、オリジナルの設定で制作されるという。原作とは違う展開が見られるかもしれないと、今から期待大だ。本格的アクション映画としても期待度大な作品だが、まずはその基礎から押さえておかなければ!

突如として出現した「死なない人間」亜人。基本的な人権もなく、捉えられた亜人たちは生物実験で生死を繰り返していた。亜人のひとり、佐藤は人類に牙をむき、殺戮を繰り返しながら亜人の権利を勝ち取ると宣言したが、それは佐藤の個人的なゲームにすぎなかった……。

前巻で、最終決戦かと思わせる、“絶対勝たなければならない戦い”に惨敗した、厚生労働省・亜人管理委員会の戸崎と主人公・永井圭たち。佐藤は悪魔的狡猾さと作戦の妙で、フォージ安全社長の暗殺だけでなく、戸崎の部隊を壊滅させてしまったのだ。

今巻で、圭は戦いを捨てて逃げることを選択。日本から消える前に母親に電話をかけるのだが、その母親こそ、人を見る目においては天下一品の肝っ玉母さんだった!
久々の息子の電話に母・律は圭を一喝しながら、論理的に考えて、逃亡することがベストだというのだが、律は、圭も自分のように合理的ながらも、感情で動く一面があるため、逃げずに戦いにとどまるだろうと直観していた。
そして、それは現実のものとなる。戦いからちりぢりに逃げ延びた戸崎チームは、再び佐藤に対峙しようと集まる。
そして、最終目標へ一気に向かう佐藤に対し、再び立ち向かうことを決意するのだった。

佐藤が亜人として覚醒するまでの話や、日本人で初めて亜人認定された人物など、物語を支える重要なバックボーンも明らかになる今巻こそ、本当の最終決戦の序章かもしれない。 ということで、物語が佳境を迎えようとしている(と思う)本作、続きが気になってしょうがなかった人は要チェックだ。



<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。

単行本情報

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