日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『おしえて!ギャル子ちゃん』
『おしえて!ギャル子ちゃん』第3巻
鈴木健也 KADOKAWA ¥880+税
(2016年2月29日発売)
ギャルな女の子、ギャル子ちゃんに、欄外から「○○って本当ですか?」とセクハラまがいの質問がとんでくる。
ギャル子ちゃんたちの日常を描くなかで、その答えが見えてくる、というスタイルの、ちょっと変わった作品。
アニメ化で、「乳輪の大きさ」「タンポン」「陰毛」「ゴム」など、きわどいワードをどうするのかと思いきや、そのままでしたね。
きっつい下ネタのオンパレードに見える作品だ。
友だちのオタ子が下ネタを投げかけては、純朴なギャル子が照れるのを楽しんでいる。
ただ、ギャル子の将来の夢は、優しいお母さん。真剣に「結婚して子どもを産みたい」という彼女と接するうちに、周囲はエロネタ的ドキドキをまじめに捉えるようになっていくのが、えらいおもしろい。
そう、エロくていいんだよ、少年少女!
3巻では、オカルト好きなオカ子、よく食べてよく動くソニックミート肉子、生まじめな委員長などの女子や、チャラチャラしてるけどヘタレでちょっといい奴なチャラ男など、数多くのキャラが、ギャル子ちゃんのまわりで独自の行動をとり始め、より群像劇の色が濃くなった。
人が集まるのは、完全にギャル子ちゃんの人徳。
彼女がギャルファッションなのは、憧れや背伸びのあかし。
いつもポジティブで、何もかもを楽しめる感受性の強さの持ち主。
人の好き嫌いをいっさいしない。自分の義はとてもしっかりしている。
大好きな友人を、心から信じている。一生懸命な人が好き。
自分も、いろいろなことを全力でがんばりたいと思っている。
好きなことは好きだって口で言える。
だけど下ネタだけはちょっぴり苦手。
そりゃ愛されますよ。
ギャル子ちゃんには、特別に親しい友人が2人いる。
オタクのオタ子と、清楚可憐なお嬢。
不思議ちゃんだったお嬢が、第3巻にして初めて自分の感情を吐露する。
比較的、博愛精神が強かったギャル子ちゃん。3人がきちんと、自分たちの本当の感情を見直した、大きな転機だ。
できれば裏表紙は、3巻を全部読み終わってから見てほしい。
最高の写真が、見られますよ。
ジョシ~(ギャル子ちゃんならではの、女の子が集まった時の擬音)。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」