『ハイキュー!!』第1巻
古舘春一 集英社 \400+税

1962年10月25日、「東洋の魔女」と呼ばれる日本女子バレーボールチームが世界バレーボール選手権で優勝。日本が団体球技の世界大会で優勝するのは初めてで、社会的なビッグニュースとして報道された。
その後の東京五輪でも金メダルを獲得すると、バレーボールブームが起こり、テレビドラマや漫画の世界にもバレーボールを題材とした作品が誕生した。

いまでも、バレーボールを扱ったマンガは数多く存在している。なかでも、もっとも注目されている作品といえば、古館春一の『ハイキュー!!』だ。
烏野高校のエース・小さな巨人を目指してバレーボールを始めた日向翔陽（ひなたしょうよう）は、憧れの同校に入学し、すぐれた運動神経と瞬発力で排球部の仲間たちとともに全国大会を目指して奮闘する。

『ハイキュー!!』大ヒットの秘密は、キャラクターの人気だけにとどまらない。「V・プレミアリーグ」など実在のバレーボール大会とのコラボレーションを実現させるなど、最近はバレーボールという競技そのものを盛り上げている点も見のがせない。
観客数も増えてきたというバレーボールの試合、『ハイキュー!!』を片手に観戦してみてもおもしろいだろう。

＜文・小林美姫＞
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』（ぴあ）、『プリキュア10周年公式ブック』（メディアパル）など。
Twitter：@mikitty116