『つるつるとザラザラの間』第3巻
月子 講談社 \552+税
（2014年10月7日発売）

は虫類と両生類専門のペットショップの息子・白根環は、男子校に通う中学2年生。
ヘビもカエルも生理的に受けつけないけれど、しかたなく家業を手伝っている彼に、すばらしい神の思し召しが！　稼業のおかげで、近くの女子校に通う同い年のは虫類大好き女子・虻川さやに見初められ、おつきあいすることになったのだ。

恋愛初心者同士の交際は、とっても純。しかし、無邪気なぶんだけ“初めて芽生えた気持ち”に正直で……駆け引きなしの天然な行為にドキッとさせられることもしばしば。
たとえば放課後、喫茶店でのデート中、さやが髪を耳にかけた瞬間「かわいくて触りたい」という気持ちにあらがえず、環が彼女の耳たぶに手を伸ばしてしまったり。さやも負けじと「環くん 喉仏とがってきたなーと思って」「前から触ってみたかったの」と応戦したり。

最新巻では、環の同級生たち、さやの家族の登場も増えてドラマの幅もより広がってきた。特にまだ恋に目覚めていない環の友人・高屋敷と、美人でスタイル抜群なのになぜかモテないさやの姉・葵の関係には今後も要注目だ。
恋に恋してない男子中学生たちの恋模様こそ、じつは最高にピュアでロマンティックなのかも!?

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」