『間宮さんといっしょ』第1巻
ガオシ 小学館 ¥ 552+税
(2014年10月22日発売)
「裏サンデー」での連載開始当初から、「恐ろしすぎる!」と話題を読んでいた作品の単行本第1巻がついに発売!
「おかしいくらい誰かに愛されたい」という願望をもつ女子高生・佐々良は、男子から告白されるたび「いいよ、死んでくれたら」と答えては、相手から激怒されたり、引かれたりしてきた。
でも、クールビューティーな女子・間宮さんの反応はいつもとちょっと違っていて――。
「私のこと本当に好き? どれぐらい? 証明して見せて」といった発想は、利己的で自己愛の強い女子にはありがちなものともいえるが、それを真顔で相手に伝える佐々良はちょっと、かなりブッとんでいるし、それを真に受ける間宮さんも、そうとうにブッとんでいる。
そして、女同士ながらめでたくつきあうことになった2人だが、たんなる天然不思議ちゃんと思われた佐々良は、じつは別の人格を隠し持っていて、間宮さんもそれを承知で佐々良に心酔していて……。
って、読んでるこっちの頭がおかしくなってきそうなサイコなストーリー展開もすさまじく、別人格の2人の会話シーンなんぞゾッとしなくもないのだが、それ以外の箇所はキャピキャピあり、ほのぼのありの百合ラブコメ調で描かれていて、その落差がまたヤバくも絶妙すぎる!
「ドタバタ学園ラブコメディ(※真面目)」という著者の言葉どおり、意外と怖おもしろいバランスのまま続くのかなーとも思えるが、2人に絡む人物――間宮さんのストーカーの超絶KY自己チュー女・春日と、彼女の妹の心霊少女・レンのキャラクターも2人に負けず劣らずサイコで、すべてをひっくり返すような新たな何かが起こりそうな予感もあり。
個人的には、唯一マトモにみえる佐々良の幼なじみのみっちゃんが、ナニゲにヤバそうで期待!
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて『おんな漫遊記』連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69