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『因果の魚』 新井煮干し子 【日刊マンガガイド】

2014/11/16


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『因果の魚』
新井煮干し子 祥伝社 ¥620+税
(2014年11月5日発売)


同い年の俺様エリート御曹司の逸成と、幼少時から彼に絶対服従な、いとこの涼一の愛憎模様(肉体関係込み)。

一見、暗くて笑顔のキモチワルイ(って作中で逸成に言われていた……たしかに・笑)涼一の執着ゆえの、一方的な関係かと思いきや、結構、横暴に振る舞っているように見えて、依存しているのは逸成のほうという気が。
イヤよイヤよも好きのうちとは、昔の人はうまいこと言ったもんだ。なぜなら主従関係はどちらか一方だけでは成り立たない、従ってくれるシモベが居なければ主は主足りえないから。
お互いの好奇心から、逸成が自分の優位性を見せつけるため始まった肉体関係が、いつしか別の意味を持っていたのにいまだに続いてるのは、結局どっちもこの関係が「好きで」そこにいるからってこと。

好き同士が執着し合ってるんだから、ま、ハッピーエンドか。重いけど。



<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。美術出版社刊『マンガ背景技法 グリッドで背景を描こう』(常野啓・著/菅野博之・監修)の第2弾にまたライターで参加しております。現在鋭意製作中。

単行本情報

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