『第七女子会彷徨』第8巻
つばな 徳間書店 \620+税
(2014年11月13日発売)
好奇心旺盛で天然ボケの高木さんと、ツッコミみつつも巻きこまれる金村町子=金やん。女子高生2人を中心とした、ゆる~いSFマンガだ。
彼女たちの暮らす世界は、奇妙奇天烈。
亡くなったクラスメートはデータとなって「デジタル天国」で存在し続けているし、学校には「友達選定制度」があって入学と同時にひとりの友達を与えられる。高木さんと金やんは、友達番号7番のペアなのだ。
そんなSF的不思議システム、不思議道具や不思議事件も、さして不思議とは思わずに、彼女たちの日常は続いてゆく。
怠惰でのんきな学校生活の脱力感とSF的展開が共存する世界観にうっとり。ストーリー展開やオチの巧みさにニヤニヤ。独特のオノマトペ表現も魅力的だ。
第7巻では初の長編ストーリーが展開されていたが、8巻では通常に戻って、(ほぼ)1話完結のエピソードが8話収録されている。
穴に落ちた高木さんのかわりに魚が通学するもみんなが受け入れる「変身」、自分以外がみんな食べものの世界にトリップする「食品街」など、“自分というもの”や“現実と夢”の曖昧さが際立つ物語が多い。
8巻のラストである「ヒタの帰還」では、若干の狂気も見え隠れして……。
今後、さらなる進化もありそうな気配!
<文・かとうちあき>
人生をより低迷させる旅コミ誌『野宿野郎』の編集長(仮)。野宿が好きです。だらだらしながらマンガを読むのも好きです。