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『名探偵マーニー』第11巻 木々津克久 【日刊マンガガイド】

2014/10/26


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『名探偵マーニー』第11巻
木々津克久 秋田書店 \419+税
(2014年10月8日発売)


「マーニーにおまかせを」が決めゼリフの凄腕女子高生探偵・マーニーの活躍を描く、木々津克久『名探偵マーニー』(秋田書店)が第11巻でついに大団円を迎えた。

本作を知らない人がタイトルから判断すると、女子高生探偵を主人公としたミステリ作品のような印象を受けるかもしれない。たしかにそういったエッセンスも含まれているものの、むしろ見所はマーニーの依頼者たちが織りなす、不思議な人間模様だ。
笑ってしまうようなコメディから、サスペンスあふれる作品まで、幅広い語り口で表現されるストーリーは、どれもヒネリが効いている。作中の誰よりも卓越した技能と才能を持つはずの主人公が、気づけばいつも一癖二癖ある依頼者たちに翻弄されてしまうさまは、おかしみと同時に奇妙な深みも感じさせてくれる。
本巻に収録された最終話は、そんな依頼者たちとマーニーの交流を総括するようなエピソードであり、これまで本作を追い続けてきたファンたちにとっては感涙ものだろう。

「マーニー」と聞けば、近頃上映されたスタジオジブリのアニメ映画『思い出のマーニー』を思い出してしまう人もまだまだ多いかもしれないが、マンガ界の「マーニー」だって、それに負けない傑作だ。
未読のかたは、大団円による完結を機会に、既刊のイッキ読みに挑戦してみるとよいかもしれない。



<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。

単行本情報

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