『ボールルームへようこそ』第7巻
竹内友 講談社 \429円+税
(2014年11月17日発売)
「月刊少年マガジン」で連載中の、社交ダンスをテーマにした作品。
2013年の「マンガ大賞」にノミネートされ、大賞に次ぐ第2位に選ばれている。
平凡な中学生だった富士田多々良は、ある日、不良に絡まれているところをプロダンサーの仙石要に助けられたことをきっかけとして社交ダンスを始めることに。
練習を続けるうちに多々良の隠れたダンスの才能が花開き、多々良も社交ダンスにのめり込むことになる。
第7巻は、ついに見つけた社交ダンスのパートナーである緋山千夏と、夢の舞台である「グランプリin静岡」を目指すところからスタート。
これまで女性ながら男性パートナー不在のためにリード役ばかりを担当していた千夏が、自分よりフォローがうまい多々良とのパートナーで悩む一方、多々良もグランプリin静岡のなかで今までにないダンスの感覚をつかみ取り、不安と期待の入り交じるなかで自分の新たなダンスの世界を広げていく。
これまでは兄を見返すことを目的として赤城真子とパートナーを組んできた多々良が、正パートナーとして千夏と組むことになった本巻は新章突入といっていい本格展開を見せる。多々良がダンスの新たな感覚に戸惑いつつ、ダンスの先輩たちとその感覚を共有することで、多々良の才能がさらに開花していく様は、今までの巻がプロローグに思えるほどだ。
社交ダンスマンガとしてはもちろん、パートナーとなった千夏やあこがれの存在である花岡雫など、男女の心模様も魅力のひとつ。
千夏がただのパートナーで終わるのか、それとも千夏に恋心を持ち始めるのか。今後の展開が楽しみだ。
<文・甲斐祐樹>
IT系ライターながらマンガも大好き。著書は『スマホ&タブレット“二刀流"仕事術。』『Chromecastの使い方』など。個人ブログは「カイ士伝」