『鬼畜島』第2巻
外薗昌也 竹書房 \600+税
(2014年12月6日発売)
異端のカリスマ恐怖作家、外薗昌也の新連載。
M大学・廃墟研究サークルの高久と上原たち6名は、サークル旅行で無人島といわれる「菊池島」を訪れ、チェンソーを振りまわす豚の頭皮を被った「怪物」と遭遇する。
絶海の孤島に超人的パワーと不死身の身体をもつ謎の猟奇殺人鬼たちとともに閉じ込められた極限状況下でのサバイバル―― って、もういい加減、そーゆーのは飽きたんですけど……と1巻で思った人も、この2巻からの展開には引き込まれること必至。
地図に存在しない島、廃墟になった街、大量の豚と十字架に磔にされた無数のミイラ、隠れキリシタンの話、放射性廃棄物とそこに絡むヤクザと政府企業関係者、捕われた異形の者たち……といった無節操ともいえる伏線が、今後どんな真実へと繋がってゆくのか。がぜん、おもしろくなってきた。
「まんま『悪魔のいけにえ』じゃん!」なオープニングはじめ、B~C級ホラー映画へのオマージュも散りばめられ、この雑、というかチープな感じも、ハマる人はハマるはず。
まだ2巻なので、今からでも遅くはない!
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン『上村一夫 愛の世界』編集発行。
Twitter:@superpop69