『ねこむすめ道草日記』第12巻
いけ 徳間書店 \620+税
(2014年12月13日発売)
群馬県渋川市を舞台に、キュートな妖怪たちの日常を描いたこのマンガも、もう12巻目。
世は『妖怪ウォッチ』で、すっかり妖怪ブーム。ぜひあわせてお子さんに読ませてください! ……ってくらいかわいい。
主人公の猫娘・黒菜は、いつも天真爛漫。幼い肢体をのびのびと動かしながら、あちらこちらへ駆け回る。
彼女は人間の姿にもネコの姿にもなれる。身体を変化させることで、人間の生活にするっと入って暮らしている。
ほかにもカッパ、狛犬、こっくりさんなど、たくさんの妖怪が登場する。基本的に表に出るときは、人間に化け、妖怪であることを隠している。今のところさしたる問題は起きていない。
しかしなかには「妖は人間に極力干渉すべきではない」と考えるものもいる。人が不幸になる可能性を望んでいないからだ。
その一方で、妖怪は「人に存在をしめさねば、ただ消え行く」という存在意義にも悩まされる。
たいへん難しいテーマを扱っている……かのようだが、黒菜たちはそんなことまーったく気にせず、思うがままに好き勝手やっている。
たとえば河童たちは「妖通販生活」で楽しそうに、妖怪専用グッズを買っている。なにそれ楽しそうじゃん。
あと黒菜さん、あなた耳もしっぽも隠さず、人間に混じって海で泳いでますよね?
描かれているのは、まったくもって気まぐれな、妖怪たちの「道草」だ。
第12巻の見どころは、人の精気を吸わねばいけないのに男の人が苦手な、川姫のかわいさ。目を合わせるとメロメロになるらしい。
いやいや、このマンガを読んでいるだけでメロメロになります。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」