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『3月のライオン』(羽海野チカ)ロングレビュー! 孤独な少年があたたかな“他人”たちと心のなかの喪失を埋めていく物語

2015/01/21


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『3月のライオン』第10巻
羽海野チカ 白泉社 \486+税
(2014年12月5日発売)


史上5人目の中学生にしてプロ棋士になった桐山零(現在高校3年生・1年ダブり)が、ひょんなことから知り合った「超」が何百個もつくほどお人好しの川本あかり・ひなた・モモ(と猫たちと和菓子職人のおじーちゃん)の三姉妹とのふれあいを通して、人はたったひとりで生きていくわけではないということを知っていく物語。

羽海野先生の前作『ハチミツとクローバー』では芸術分野で突出した才能を持つ人として花本はぐみが居たわけだけれど、今作は将棋で他人より才能が突出していたがゆえにプロとして生きていく人たちの物語。そりゃあもう、神様レベルの強さを誇る宗谷名人を始め零くんも例外ではなく出て来る棋士たちはみなくせ者揃い。
将棋という魔物に魅入られた怪物どもはみな厳しく、どこかいびつで、そしてあたたかい。
負ける悔しさにのたうち回り、他人の才能に嫉妬はするけれど、でも、結局はその負けの一手を指したのはほかならぬ自分なのだ。ということを、対局で出てくる人出てくる棋士はみな覚悟のうえなので、対局が終わればその人のもつ暖かさが残るんだと思う。

気合いれすぎて『月下の棋士』化している、零くんの心の友と書いてライバル!(自称)な二階堂晴信。難病を抱えながらも対局する彼もプロの覚悟とたゆまぬ努力の人である。絵が得意で、育ちがいいので紳士。モモちゃんからはポドロ(※作中に登場するアニメのキャラ)と認識されている?

気合いれすぎて『月下の棋士』化している、零くんの心の友と書いてライバル!(自称)な二階堂晴信。難病を抱えながらも対局する彼もプロの覚悟とたゆまぬ努力の人である。絵が得意で、育ちがいいので紳士。モモちゃんからはポドロ(※作中に登場するアニメのキャラ)と認識されている?

単行本情報

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