『黒崎くんの言いなりになんてならない』第3巻
マキノ 講談社 \429+税
(2015年1月13日発売)
中学時代をジミ子で過ごした由宇は、がんばって高校デビューをはたし、女子みんなが憧れる“白王子”白河くんと同じ寮で暮らすことに。しかしそこには、副寮長にしてドSで超絶オレ様な“黒悪魔”黒崎くんもいて……。
この黒い噂をたくさんまとった黒髪・黒目の無愛想なイケメンに目を付けられた由宇は、“逆らった罰”としていきなりファーストキスを奪われたうえ、絶対服従を命じられる。
以来、由宇は黒崎くんのドSな振る舞いに翻弄される毎日……なのだが、冷たく見下すような態度でさんざん意地悪しておきながら、由宇のピンチに必ず助けに来るのも黒崎くん!
はたして好きだからいじめるのか、単に気に入らないゆえの嫌がらせなのか……いずれにせよ、マキノ先生が描く“黒悪魔”改め“黒王子”は、カッコイイだけでなくたまらなくセクシーなのだ!!
さて、そんな黒崎くんに幾度となく(!)唇を奪われてきた由宇が、「黒崎くんとはもう関わらない」と決意して始まるこの第3巻。のっけから由宇は白河くんとどんどんいいムードに……。
甘~いマスクで底なしの優しさとただ者ではない寛容っぷりを見せる“白王子”。でも、なにやら黒崎くんとは別の、ともすればもっと邪悪かもしれない黒さがプンプン匂う!
ちょっと白河くん、アナタ由宇が本気で好きなの!? それとも黒崎くんへの対抗心で由宇に近づくワケ!? ……とヤキモキさせられるものの、一方で黒崎くんによる横ヤリ、ご無体、横恋慕(?)はもちろん健在!
季節は夏休み、今巻もベッドで、屋上で、談話室で、ちょいちょい2人になる由宇と黒崎くんの、色っぽ~いドキドキシーンは満載だ!!
ドSキャラ激増中の少女マンガ界でも、トップオブトップに近いオレ様っぷりに、巷では腰砕けになる女子多数とか(もちろん私もそのひとり……)。白黒W王子の過去も本性も、ますます謎に包まれ、加速する3人の物語からは、まだまだ目が離せない!
<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。