『銀の匙 Silver Spoon』第1巻
荒川弘 小学館 \419+税
1972年、エレン・スタンリーとメアリー・リン・レイブ姉妹が役に立つ家畜のひとつである豚への感謝の気持ちを込めて3月1日を「豚の日」を制定。
アメリカ合衆国では各地で豚の品評会が行われる日となっている。
荒川弘の『銀の匙 Silver Spoon』は、北海道の農業高等学校「大蝦夷農業高等学校」に入学した生徒たちが慣れないながらも農業を学び、成長していく様子が描かれている作品。
作中では食用として飼育されている豚が登場し、そのなかで一番小柄な豚に、主人公・八軒勇吾は「豚丼」と名付けてる。
いずれ食用となって出荷されてしまう豚だから、食用として接しようという意図があって、この名前になったのだ。
この豚丼とのエピソードは第3巻から第4巻にかけて登場。“食べる”ことが何かを作者特有のタッチで描いているので、ぜひ読んでいただきたい。
せっかくなので、豚丼を食べながら本作を読んでみる……なんて、ちょっとかわいそうになってきたので、純粋にマンガだけを楽しもう。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116