『腐女子っス!』第7巻
御徒町 鳩 KADOKAWA \580+税
(2015年2月20日発売)
コスプレイヤーのユキ、同人マンガ描きのめぐみ、同人小説書きのえり。漫画部に所属する3人の腐女子たちの高校生活も、いよいよ終幕!
友情、個々の悩み、そして恋模様……その進展を7年間にわたってじっくりと描いた物語は、高校卒業をもって完結する。
いかに“腐女子”が増えたといっても、やはり高校という小さな社会では少数派で。そんななか“萌え”を共有して、好きなことを思いっきりしゃべりあえる友人はかけがえのない存在だ。
心のホンネを何もかもさらけ出せるからこそ恋の相談もできるし、自信のない部分を励ましあったり補いあえる、そんな3人の関係が愛おしくてたまらない。
進路が無事に決まった後の、トリプルデートのシーンも微笑ましい。6巻にはユキの彼氏の「あの3人が一緒に居るの 俺けっこー好きなんすよね」というセリフがあったけれど……恋人ができても変わらない3人の絆を言い表したこの言葉に共感しきりである。
巻末には番外編4コマと、卒業後を描いた描き下ろしも収録。
オトナになった3人の幸せそうな生活ぶりにホッとさせられる完璧な大団円だ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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