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3月19日はアメリカ・ネバダ州でギャンブルが合法化された日 『100万$キッド』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/03/19


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『講談社漫画文庫 100万$キッド』第1巻
石垣ゆうき 講談社 \650+税


1931年3月19日、この日はアメリカのネバダ州でギャンブルが合法化された日。

それ以前のネバダ州といえばゴールドラッシュに湧いていた時期もあったのだが、とくにこれといった産業がなかったために没落していく一方。そこで、州の財政政策としてギャンブルを合法化したのである。
それがのちにラスベガスが「カジノとショービジネスの街」として栄えるきっかけだった。
つまり、ギャンブルを合法化するという、それ自体がバクチみたいな政策が大当たりした……というワケ。

マンガの世界でも、ギャンブルは非常に多くの作品で描かれているのは周知のとおり。
なので、どのギャンブルマンガをプッシュしようか迷うほどなのだが、ズバリ舞台がラスベガス(これが意外と少ない!)、しかも中学生が世界一のディーラーを目指してラスベガスに乗りこむという『100万$キッド』を紹介することにしよう。
作者は「な、なんだってー!!」でおなじみ『MMR マガジンミステリー調査班』で知られる石垣ゆうき。この『100万$キッド』がデビュー作である。

主人公の二階堂ひろしが中学生の身分で数億円を賭けてカジノでポーカー勝負する時点ですでにスゴイのだが、それ以上に文庫版の第1巻のラストに登場する、水晶球を持った占い師でもあるミス・マーベルと対決するあたりから頻出するイカサマ勝負は必見!
その“トンデモ”っぷりこそが作者の本領発揮である。たとえばミス・マーベルのイカサマの手口は、愛用の水晶球をレンズがわりにしてひろしの瞳に映るカードを見ていた、というもの。そもそもポーカーに関係がない水晶球が持ちこみ可なの? という疑問もうっすらあるのだが、イカサマ道具が目立ちすぎる大胆な手口がスゴイ!

さらにその後、腹話術の人形(もっとあからさまに怪しい!!)に見せかけた人間の相棒(えっ?)を使うイカサマ師や、勝負前に催眠術を使っていたイカサマ師などなど、とんでもないディーラーが次々と登場。
もちろん、正統派のギャンブラーもいないわけではないのだが、数々のイカサマと、さらにそれを無謀すぎる手段で打ち破るひろしの勝負が愉快すぎる。

そしてここはやはり、心の中で思いっきり「な、なんだってー!!」と叫びながら楽しみたいところである。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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