『みつどもえ』第15巻
桜井のりお 秋田書店 \419+税
(2015年3月6日発売)
丸井家の三つ子姉妹を中心にした、スラップスティック・コメディもついに15巻目。
かわいらしい絵柄で萌えの皮をかぶった、シモネタ・バイオレンス・フェティッシュ……。なんでもありなノリは1巻から変わっていない。
序盤の頃の主人公3姉妹は「ちょっとおませなサドガールなみつば」「ちょっとスケベなマッスルガールなふたば」「ちょっと不思議な暗ガールなひとは」というキャラづけだった。
季節は「サザエさん時空」でループし、3姉妹は6年3組のまま。15巻までくると、6年生という枠内で、全員がそれなりに成長している。
サドガールだったみつばは、クラスになじみつつある(黙っていれば)美少女で、優しい部分も多々見えている。ライバルであり親友の杉崎との仲も良好。特に席替えの時の杉崎とみつばのやりとりは、成長が如実に見られる。
暗ガールだったひとはも友だちが(なかば強引な形で)増え、そこそこには楽しい学校生活を過ごしている様子。
ふたばは今まで、幼なじみの佐藤と熟年夫婦のような関係だった。しかし、佐藤がふたばを女性として意識し始め、思春期の心理の芽生えが見え始めた。
少年少女それぞれが、人間関係をどう取っていくか、模索していく様子がコメディ仕立てで描かれる。ほっこり。
しかし安心したところに、攻撃的なネタを容赦なく突っこんでくるのがこのマンガ。
たとえば「佐藤が好きでしょうがない隊」という変態3人娘。そのうちのひとり・緒方が、佐藤の金魚を飲み込んでしまうシーンがある。ここでみつばが取った行動が、激しく腹パン。緒方、見事金魚をリバース。
残り2人の少女も、金魚を飲み込んでお互いに全力の腹パン。リバース。
基本的に女の子たちの、涙・血・尿・鼻水・汗・ゲロあたりの体液は、一通り通過済み。そのあたりを期待して読むのもアリ。
15巻となっているが、どのキャラもアクが強く見たら一発でわかるので、ここから読んでも十分楽しめます。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」