『ぽすたるWORK』
依澄れい KADOKAWA \580+税
1871(明治4)年4月20日に、江戸期から伝わる飛脚制度にかわり現在へとつながる「郵便制度」が始まった。
これにちなんで、4月20日は「郵政記念日(制定当時は逓信記念日)」と制定された。
日本の郵便制度は、イギリスのものを参照しつつ、従来の飛脚の方法もとり入れて確立されたという。
郵便とり扱い所の全国展開が始まり、飛脚たちのなかには郵便局員に転じる者もいたそうだ。
依澄れいの『ぽすたるWORK』の主人公は小さな町の郵便局員・文野ふみ子。
電子メールの普及により、郵便物が少なくなっている世の中だが、ふみ子はそんな時代だからこそ、手紙にこだわり、手紙を大切に思っている。
そんな思いをこめて手紙を配達するふみ子の姿を描いた本作は、手紙を書くという行為の意味をあらためて考えさせてくれるものだ。
4月20日は、マンガを読むのはもちろん、大切な人に手紙を書いてみるのもいいかもしれない。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116