『ラブラブエイリアン』第2巻
岡村星 日本文芸社 \ 590+税
(2015年3月28日発売)
女性専用アパートに住む妙齢女子らと手のひらサイズの小さな宇宙人とのおかしな共同生活を描いた『ラブラブエイリアン』。
設定こそSFだが、舞台はほぼ彼女らの住むアパートの一室で、これといったストーリーもなく、ただ彼女らが部屋に集い、酒をかっくらいながらダラダラおしゃべりする様がセリフ多め(つーか、ほぼセリフのみ)で延々と描かれてゆく。
ガールズトークマンガといえば、 岡崎京子『くちびるから散弾銃』から東村アキコ『東京タラレバ娘』まで、じつははずれナシの鉄板ジャンル。
本作で描かれる「女の本音」は「あいつ絶対精子濃いよ」「一風堂の豚骨くらい濃ゆいよね」「ウカウカしてっとすぐ着床させられちゃうよ」てな具合で、生々しいを通り越して、ゲスくもあるのだが、まーある意味、女同志の会話は男同志のソレよりヒドイという噂もあるわけで。
仕事の愚痴から男・恋愛・結婚ネタ、食べもののハナシまで、女性ならば共感必須!
男性諸君も、女子とはこういう生き物なのだと幻想を捨て、現実を認識するには格好の書となるかも?
「NASAに通報しないこと」を条件に、エイリアンにハイテクを駆使させて、合コン相手の男性が本音しか言わないように操作したり、気になる男の過去など詳細な身辺調査をさせたり、エイリアンものならでは!? のネタもくだらなくもイイ。
着地点のないまま延々と続く、無意味かつ不毛で、しかし脱出不可能なこの吸引力は、もはや読むブラックホール?
今をときめく犬山紙子氏も絶賛の異色のガールズトーク×エイリアンマンガ、まだの人は要チェック!
<文・井口啓子 >
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて『おんな漫遊記』連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69