『こもりちゃんはヤる気を出せ』第3巻
コンノトヒロ 講談社 \429+税
(2015年4月17日発売)
かわいい妹系キャラだと思った? 残念、こもりちゃんでした!
……ってなことを言いたくもなる。
本作の主人公であるひきこもり少女のこもりちゃん、連載開始当初は多少は萌えキャラっぽいところもあったのに、回を重ねるにつれてどんどん奇行がエスカレートし、単行本3巻の収録部分では、もはや珍獣なんだもの。
そのとんでもない振る舞いを説明しだしたらキリがない。
ひとつ例をあげると、体を動かすのがめんどくさいからといって、体の関節を固定したうえで謎の四つん這いスタイルになり、移動はスライド、会話はテレパシーでこなすようになったときは、マジでどうしようかと思いました。
いや、そんな姿になってもこもりちゃん、独特な愛嬌はあるんですが……あるんですが……。
さて、そんな感じでますます人間離れが進むこもりちゃんですが、この3巻ではちょっと意外な展開が。
なんと彼女、プロの漫画家としてデビューを果たすのだ。
デビュー後のなんだか妙に生々しい執筆の様子は、もしかして半実録なのか?(作者のTwitterを見るとそんな感じも……)
意外な形で社会と接点を持ち始めたこもりちゃんの、そして、新たな方向性へと踏み出したこのマンガの、明日はどっちだ!!
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei