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『織子とナッツン』第1巻 原鮎美 【日刊マンガガイド】

2015/07/09


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『織子とナッツン』第1巻
原鮎美 KADOKAWA/エンターブレイン \620+税
(2015年6月15日発売)


背が高くて男前。女の子ばかりにモテる天野織子。
身長も中身も小学生。それでも二十歳な小池夏生、通称ナッツン。
2人は大学で古典芸能研究サークルに所属する、大・大・大親友。身長差が激しいので、遠くから見ても目立ちます。

……というのが前作『でこぼこガーリッシュ』。4コマで描かれた青春コメディだった。
その第3巻ラストで『でこぼこガーリッシュ ストーリー編』と題して予告されていたのがこの作品。
タイトルを『織子とナッツン』に変更、ストーリーマンガ形式にリニューアルされはしたが『でこぼこガーリッシュ』の4巻目ともいえる。

しかしながら、基本「大きい女の子と小さい女の子コメディ」というわかりやすい作品なうえ、『でこぼこガーリッシュ』から継続して登場のキャラも初登場の際にはきちんと解説的なストーリーが加えられている。この巻からでも、しっかり楽しめる構成だ。

物語は、織子とナッツンがルームシェアでいっしょに暮らすようになるところからスタート。
ところが、割と家庭的でマメな織子と、がさつで大食いなナッツン。2人の生活の最大の問題は「お金がない」こと。織子に喜んでもらおうと弁当にキャビアを入れるわ、お金が入る前にお菓子買いまくって1週間の生活費をなくすわ。
2人の暮らしにはまだまだ、「相談」が足りない。

生活が密着するということは、今までのように「ただの友人だから」ではすまされない。
妹が大好きなの織子の兄たちは、ナッツンにいう。「なぜ君は織子と同居を? ほかの友人では駄目なのか?」
「ダメです あたしの親友は織子だから」
兄たちはこれを聞いて「きみがいれば 織子は強い」といって去っていく。
この言葉の意味は、今後も描かれていくのだろう。

『でこぼこガーリッシュ』では、4コマのなかに織子とナッツンを両方入れるため、ものすごい引きの画面に2人は小さく描かれていた。
今回からは、大きなコマに2人並べるようになった。それだけで幸せ度アップ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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