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『マドンナはガラスケースの中』第1巻 スガワラエスコ 【日刊マンガガイド】

2015/08/15


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『マドンナはガラスケースの中』第1巻
スガワラエスコ 実業之日本社 ¥680+税
(2015年7月16日発売)


山本裕也32歳は「爬虫類性愛(オフィディシズム)」。爬虫類に性的に興奮する、特殊性癖。
女性経験はゼロっていうか興味なし。爬虫類専門のペットショップで働いている。
彼が一番思い入れがあるのは、ヒョウモントカゲモドキの「ゆり」。

そんな裕也が働くペットショップ・トムを訪れたのは、ヤモリを飼いたいという大人びた少女・由莉(ゆり)。小学6年生。
ショップに通うようになった彼女。爬虫類について教えてあげていくうちに、由莉の妖艶な、下から覗き込むような視線に心臓わしづかみ。
おめでとう。山本裕也さん、ロリコンデビューです。

爬虫類性愛とロリコンという二重の秘密を持ってしまった裕也と、密かに爬虫類ショップに通っていることを楽しんでいる由莉。2人の危ういやりとりを、爬虫類飼育ウンチク話を交えながら描いている。
裕也は爬虫類について、うれしそうに語る。
由莉はそれを聞いて、新しい世界に飛びこんだ、不思議の国のアリスのような気持ちになる。
じつはトムへはバスで40分もかけて通っている。親には内緒だ。

「女」のにおいと「少女」のあどけなさをふりまきまくる由莉。非常に魅力的なキャラだ。
しかし小学生の少女が、わざわざ友だちにも親にも告げずに通ってくる、というのは、おかしなこと。
彼女には今、安心できる場所がないのだ。

自分に親しくなついてくれて、心を弄ぶかのような行動をとる少女に、煩悩を抱くなというほうが無理な話で。
「由莉も裕也さんの家のケージに入ろうかな」とか言われた日には、その言葉の裏にある意味を理解する前に脳が吹っ飛ぶわけで!
愛する爬虫類を、気になる少女といっしょに見て楽しむなんて、幸せすぎるわけで!!
た、耐えろ、耐えるんだ裕也!

爬虫類の解説と同じくらい、少女の心の機微も描かれている作品。
彼女たちの本音が見えてくるほどに、いとしさは増していく。
もう、オフィディシズムでもロリコンでもいいや。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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