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8月22日は「ボズワースの戦い」の日 『マリー・ブランシュに伝えて』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/08/22


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『マリー・ブランシュに伝えて』
やまざき貴子 白泉社 ¥379+税


1485年8月22日、薔薇戦争のなかでも重要な契機となったボズワースの戦いが行われた。

このボズワースの戦いを経て、ランカスター家のヘンリー・テューダーはヘンリー7世として即位し、エリザベス・オブ・ヨークと結婚してヨーク家と和解した。
これがテューダー朝の樹立である。
こうして、ほぼ30年に渡るイングランドの内乱である薔薇戦争が、事実上決着したのだ。

ランカスター家が赤薔薇、ヨーク家が白薔薇を記章(家紋)にしていたことから薔薇戦争と呼ばれたこの戦い。
今日ご紹介するマンガは、そのランカスター家とヨーク家を先祖に持つカップルと、薔薇戦争の時代に生きた彼らのご先祖様のストーリーだ。

主人公はシェアラ・ヨーク。その恋人、リー・ランカスター。
彼らは幼なじみであり、そしてヨーク家の姫君であるマリー・ブランシュの遺言によって定められた許婚だった。

「ヨーク家の者はランカスター家の者と結婚するように」――これがマリー・ブランシュの遺言だ。
彼女は敵方のランカスター家の騎士に恋をしたが、結ばれずに終わってしまった。
だから遺言を残したのだが、そんな理由で子孫に結婚を強要するなんて! と、へそを曲げてしまったシェアラ。
許婚のリーの態度も気に入らず、マリーに遺言を書き換えさせようと、「ムシ」と呼ばれる時間移動機械を使って、薔薇戦争の時代へ時間移動を強行する彼女だが――。

シェアラは時間移動をした先でマリー姫に出会い、彼女の恋人であるランカスター家のギルバートを知る。
かたき同士の家に生まれた彼らの強い想いを目の当たりにし、それはシェアラ自身の恋愛にも大きな影響を与える。
ご先祖様とその子孫の心は深くつながって、その後の彼らの人生を左右していくわけだが――それがどのようなものかは、マンガで楽しんでいただければと思う。

コミックスには表題作に加え、マリー姫とギルバートの物語「ディア・シェアラ」が収録されている。
薔薇戦争のなかで恋を貫いたふたりの姿は、まさに大河ドラマ。
多数登場するサブキャラたちも魅力的で、読みこむほどにじわじわと楽しみが深まる。
(特に乳母や、そしてジェロームとナタリー! ときめくし、泣けます)
2つの作品を読み終えた時には、胸が熱くなることうけ合いだ。

またこの作品が気に入った方は、『アカデメイアの冒険者』など、ほかの「ムシ」シリーズもぜひどうぞ。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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