365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。さて、本日読むべきマンガは……。
『Dr.スランプ』第2巻
鳥山明 集英社 ¥390+税
1900年の9月11日に満を持して屋外に日本初の公衆電話が新橋と上野に設置された。
1890年より電話局内においては運用されていた公衆電話だったが、利用者の増加によってめでたく屋外にも設置されることに。
あたりまえだが、当時は携帯電話など存在しないので、自宅だけでなく屋外でも電話ができるというのはとても革新的なこと。
これを機に、日本中に公衆電話が普及していくこととなる。
そんな公衆電話、というか電話ボックスを有効活用しているキャラクターといえば、『Dr.スランプ』でおなじみの暗悪健太(くらあく けんた)=スッパマン。
彼はその名のとおり、クラーク・ケント=スーパーマンのパロディキャラであり、クラーク・ケント同様に地球外の惑星(クリプトンではなくオカカウメ星)からやってきた自称正義の味方だ。
スッパマンの初登場は単行本第2巻。
早々に喫茶店で騒がしくしている空豆タロウの飲み物にゴキブリを投入して憂さ晴らしをするという器の小ささを見せたあと、銀行強盗の姿を見かけてスッパマンへと初変身。
しかし、強盗の持っている銃が本物と気づくやいなや、降参して強盗に協力するという、初登場時から100点満点のダメっぷりを披露している。
その小物っぷりっから、変人には慣れっこであろうペンギン村の住人にすら疎まれているスッパマン。
しかし、作者の鳥山明には気に入られているようで、『貯金戦士キャッシュマン』には栗山和男というまったく同じ顔の別人として登場していたりと、他作品でも露出は多い。
『ドラゴンボール』第7巻のペンギン村編においても、アラレ一行に次いで登場。ブルー将軍の怪力の前に降参する姿を見せていたりと、なんだかんだで鳥山明ワールドを代表するオッサンと言えるだろう。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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