365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
さて、9月20日はバスの日。本日読むべきマンガは……。
『DEATH NOTE』第1巻
大場つぐみ(作)小畑健(画) 集英社 ¥390+税
1903年の9月20日、京都市で蒸気自動車を改良したバスが初めて走行したことを記念し、1987年の全国バス事業者大会にて、9月20日は「バスの日」と定められた。
バスといえば、主要交通機関のひとつということで、マンガの歴史上にも山ほど登場するのだが、今回はなかでも印象的な「バスジャック」のシーンが描かれている『DEATH NOTE』第1巻を紹介したい。
犯罪者たちを次々と抹殺する「キラ」の正体である夜神月(らいと)は、自身を尾行している人間の正体を突き止め、隙あらばデスノートによって始末するために、デスノートの「対象が死の直前にとる行動を指定できる」能力を使用して、麻薬常習者の恐田奇一郎にバスジャックを行わせる。
バスジャックが行われている最中、月は尾行者の正体がFBI捜査官レイ・ペンバーであることをつきとめ、目的を達成。
役目を終えたバスジャック犯は、デスノートの紙片に触れたことで死神であるリュークの姿を目撃して混乱し、道路に飛び出して月の書きこんだ時間どおりに車に轢かれて死亡するという、第1巻にしてデスノートの能力を巧みに扱う、月の常人離れした狡猾な頭脳を堪能できる好エピソードだ。
今年から放映されている実写ドラマ版『デスノート』でも、原作どおりではないものの、このエピソードが取り入れられている。バスジャックのくだりを原作からある程度踏襲しているものの、「レイ・ペンバー」が偽名であったりと、原作既読者ほど意表を突かれる展開が続出する。
今のところ、いろいろと賛否あるようだが、ドラマ版『デスノート』、原作ファンであればあるほど新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton