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9月23日は不動産の日 『大家さん10年め。』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/09/23


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

さて、9月23日は不動産の日。本日読むべきマンガは……。


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『大家さん10年め。 主婦がアパート3棟+家1戸!』
東條さち子 ぶんか社 ¥1,000+税


本コーナー「きょうのマンガ」の執筆を担当するようになって、さまざまな語呂合わせの記念日を知ったが、今回はかなり強引。
「ふ・どう・さん」→「二・十・三」→「23日」で不動産の日。
「どう」を「とう」に捉えて「10」とするのは納得しよう。問題は「9月」が置いてきぼりだということ。毎月23日が不動産の日ではなく、なぜ9月23日が不動産の日なのか?

1984年に制定した全宅連によると「秋は不動産取引が活発になるから」。
じゃあ10月23日でも11月23日でもいいじゃん! はぁはぁ……。
取り乱してスマンです。まぁ、とにもかくにも本日は不動産の日ということで、不動産関連のアンケート調査やらなにやらが行われている模様だ。

不動産とはその名のとおり、容易に動かせない資産のこと。
土地そのものや土地に関連する定着物、つまり建物や立木(登記されたもの)なんかも不動産にあたる。

てなわけで、本日紹介するのは不動産に関する作品『大家さん10年め。』だ。インコマンガの第一人者(?)として知られる東條さち子は、タクシードライバーの旦那と共同で2006年から不動産投資を始めた。
とはいえカツカツで暮らしていた清貧世帯なので、豪華マンションをドドーンと購入したわけではない。破格の物件を購入して、副収入を目論んだのだ。

だが、そう簡単にウハウハの大家暮らしができるはずもなし。
リフォーム問題や空室問題などが山積。その顛末を描いたのが、2010年の『主婦でも大家さん』である。

あれから5年。夫婦の資産状況はどうなったのか?

現在のラインナップは前作でもおなじみのオンボロ廃墟マンションにアパート2棟、さらには自宅の真横に鎮座する一戸建て(480万円→交渉で450万円也)まで新規購入したという。
アパート3棟に家1戸のオーナーと聞くと、なんだかすごい。

ただし夫婦の経済状況がよくなったのか……といえばそうではなく、家賃が入っても右から左でローン返済。
しかも悪いことに旦那が免停を繰り返したためにタクシードライバーを1年間休業するハメに。
家賃収入はたっぷりあるので税金はバカ高くなり、借金は膨らむ一方。しかもお隣に引っ越してきた住人が超のつくクセ者で、ゲンナリする日々……。

不動産投資のネガティブ面が前面に押し出され、家賃生活で左団扇なんて夢のまた夢。
「家賃が安すぎると生活保護者が借りてくれない」といった仰天の事実を筆頭に、格安物件ならではの苦労が詳細に描かれているので、庶民にとっては参考になる記述がてんこ盛りだ。

その他にもサブリース(一括賃借し)会社を介するメリット・デメリットを筆頭に、悪質ガス屋による恫喝とか、出来高制の自動販売機とか、普通に暮らしていたら知らないことばかり。
とりあえず「入居時や更新時に家賃の値切り交渉をすることは必須!」とキモに命じました。

さて、悲惨なエピソードが山盛りの東條家ではあるが、タイトルどおり大家生活も10年を超え、今後はどんどんローンが終了していくことになる。
はたして、家賃収入がまるまる懐に入るバラ色の未来が待ち受けているのだろうか? 苦労が報われる(はずの)続刊を楽しみに待ちたい。



<文・奈良崎コロスケ>
マンガ・博奕・映画の3本だてライター。中野のマンションに大卒初任給以上のバカ高い家賃を払って住んでいるが、真隣がブロードウェイという立地で、「まんだらけ」を書庫がわりに使っているので、なかなか引っ越せない。

単行本情報

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