365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
10月12日はコロンブスがサン・サルバドル島に上陸した日。本日読むべきマンガは……。
『ヴィンランド・サガ』第1巻
幸村誠 講談社 ¥562+税
523年前の本日、クリストファー・コロンブス率いるスペイン艦隊が長き航海のはてに、のちのアメリカ大陸となる新大陸の一部、サン・サルバドル島に上陸した。
これを機に、ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ航海路が確立されていき、西洋人の歴史はあらたなる地平への一歩を踏み出すのだが、じつはアメリカ大陸に上陸したのはコロンブスが最初ではない。
『ヴィンランド・サガ』では、コロンブスのアメリカ大陸上陸よりもはるか前、ヴァイキングが活躍していた時代に「ヴィンランド」と呼ばれていたアメリカ大陸に夢を抱く人々の姿が、史実をベースに描かれている。
船乗りの「幸運者レイフ」ことレイフ・エリクソンから、未知の大陸「ヴィンランド」の冒険譚を幼少期から聞かされていた主人公・トルフィンは家族とともに幸せな少年時代を送っていたが、父・トールズを殺害されたことで、仇であるアシュラッドを追って戦場での日々を過ごすことに。
だが、仇敵であるアシュラッドは、トルフィンの手にかかることなく死を遂げ、生きる目的を失ったトルフィンは心身喪失状態になってしまう。
その後、奴隷に身を落としたトルフィンであったが、のちに親友となる奴隷仲間の青年・エイナルをはじめとする人々とすごす内に生気を取り戻していき、第13巻にてついに奴隷生活から脱出、理不尽に命が奪われることなく人々が生きられる「平和な国」をヴィンランドに作るため、旅に出ることを決意する。
「平和な国」建国はまだまだ遠く、いまだ旅の途上にあるトルフィン一行だが、史実同様の結末を迎えるのか、はたまた予想もつかぬ展開が今後待っているのか、これからの流れに興味がつきない。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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