『やっちまったよ一戸建て!!』第1巻
伊藤理佐 文藝春秋 596
世界遺産のサグラダ・ファミリアの建築を担当した、アントニ・ガウディの生誕が由来となり、6月25日は「住宅デー」と制定されている。
全国建築労働組合総連合が、建築の仕事や技能を理解してもらうために始めた取り組みであり、この日には、住宅相談や耐震診断などを行う、催し物も開催されるという。
人生最大のお買い物である「夢のマイホーム建設」を、漫画家自身がエッセイとして描いている作品として、伊藤理佐『やっちまったよ一戸建て!!』があげられる。
本作をはじめ、マイホームを題材としたエッセイマンガは、家を建てるまでの「過程」を詳細に追っていくものが多い。
エッセイマンガではないが、山岸凉子『ケサランパサラン』も、作者の体験談が強く反映されている作品だろう。
主人公・星由良子が、突然マイホームを建てることを決意。国有地を取得して、デザインの段階から自分の夢のままに進め、なんと方位鑑定まで始める。
山岸凉子ならではの要素もたっぷりと入った、自宅建築コミック(そんなジャンルあるのだろうか?)の傑作だ。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
個人Twitter: @mikitty116