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『僕のヒーローアカデミア』第6巻 堀越耕平 【日刊マンガガイド】

2015/12/01


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『僕のヒーローアカデミア』


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『僕のヒーローアカデミア』第6巻
堀越耕平 集英社 ¥400+税
(2015年11月4日発売)


アニメ化が決まった『ヒロアカ』。第1巻発売からちょうどまる1年で発売された6巻目。
ヒーローになりたいと願う主人公・緑谷出久(みどりや・いずく)の、大きな成長巻だ。

出久が手に入れた能力「ワン・フォー・オール」は強力すぎる。たくさんの訓練を積んできたものの、まだまだ使いこなせず、自分の力で大怪我をしてばかり。これではとても実戦に使えない。
彼の能力を知る老人ヒーロー・グラントリノのもとで、自分の力を使いこなすための修行が始まった。

同時進行で、高速で走ることのできる優等生・飯田天哉(いいだ・てんや)の復讐の物語が描かれる。
天哉は、彼の兄でヒーローであったインゲニウムが、ヒーロー殺し・ステインに襲われたことを、激しく憎んでいた。
彼はステインを、追いつめようとする。

ヴィランは、人に迷惑をかけるため「敵」と呼ばれているものの、そうそう人間2つに分けられるほど簡単ではない。
ステインには、きちんとした思想がある。だから殺す。彼にとっての「正義」だ。
天哉が兄の敵討ちをするのも、ひとつの「正義」だろう。
しかし「正義」と、「なりたいもの」は必ずしも一致しない。

出久は「なりたいもの」を目指して、必死になって階段をひとつ登ろうとしている。
天哉は、自分が「なりたいもの」がなんなのか、見極めねばならない。
自分のめざす「ヒーロー像」をしっかり思い定めてこそ、一生ものになる、自分の「ヒーロー名」を決めることができる。

彼らがヒーロー名を名乗るのは、この巻からだ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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