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『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃』 ジェイソン・アーロン(作) ジョン・カサディ(画) 秋友克也(訳) 【日刊マンガガイド】

2015/12/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃』


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『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃』
ジェイソン・アーロン(作) ジョン・カサディ(画) 秋友克也(訳) ヴィレッジブックス ¥2,600+税
(2015年11月30日発売)


遠い昔、はるか彼方の銀河系で――。
砂の惑星タトゥイーンで水分抽出農業を営むラーズ夫妻に育てられたルーク・スカイウォーカーは、いつか銀河の辺境に位置する故郷を離れて宇宙に行くことを夢見ていた。
そして、その願いは意外な形で叶えられることとなる。砂漠を根城とするジャワ族から買いつけた中古のドロイド、C-3POとR2-D2を追ってきた銀河帝国の兵士によって、育ての親を惨殺されてしまったのだ。

こうして帝国軍と反乱同盟軍の争いに巻きこまれたルークは、かつて銀河の平和を守っていたジェダイの騎士の生き残りであるオビ=ワン・ケノービ、銀河最速のミレニアム・ファルコン号を駆る密輸業者のハン・ソロ&チューバッカとともに旅立つと、囚われの身になっていたレイア・オーガナ姫を救い出し、帝国軍の最終兵器とされるデス・スターの破壊に成功する。

初めての大勝利に湧く同盟軍だったが、戦いは終わらない。オビ=ワンの仇、暗黒卿ダース・ベイダーは生き延びていたのだから。ベイダーが率いる帝国軍の猛反撃が始まる!

映画史に燦然と輝くマスターピースにして、現在まで脈々と受け継がれてきたスター・ウォーズサーガの原点『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の物語を簡単にまとめるとこうなる。

その後、ベイダーがルークの父親であったことが判明する『エピソード5/帝国の逆襲』、銀河皇帝の死と帝国の衰退を描いた『エピソード6/ジェダイの帰還』と続き、今冬公開の最新作『フォースの覚醒』につながっていくことは、映画ファンならずとも周知の事柄だろう。

今回紹介させていただく『スター・ウォーズ:スカイ・ウォーカーの衝撃』は、いわば「エピソード4.5」とでも呼ぶべきコミックに仕上がっており、シリーズ屈指の人気キャラでありながら本編では地味な扱いを受けていたボバ・フェットの活躍や、ルークとベイダーによる“初”の一騎打ちなどが見どころとして用意されている。

また、前述のベイダーの正体に関して、第1作に伏線の類がいっさい見られなかった――だからこそ、多くの観客の度肝を抜いたとも言えるのだが――ことに対するフォローがなされ、ベイダーがルークとの関係に気づくシーンも存在する。

まあ、後出しじゃんけんと言ってしまえばそれまでなのだが、それゆえにかゆいところに手の届くうれしいストーリー仕立てとなっている。
従来のコミックや小説で展開されてきた数々のストーリーが、正史には組みこまれない「レジェンズ」という扱いになったことに対して、新作コミックである本作は純然たる「カノン(正史)」であるため、今後のスター・ウォーズサーガを味わい尽くすためにも必読の書と言えるだろう。



<文・ガイガン山崎>
“暴力系エンタメ”専門ライター。タトゥイーンの砂漠に横たわるクレイト・ドラゴンの骨に想いを馳せる、石ノ森章太郎級のSFロマンチストです。

単行本情報

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