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『ヒモメン ~ヒモ更生プログラム~』第1巻 鴻池剛 【日刊マンガガイド】

2016/01/27


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ヒモメン ~ヒモ更生プログラム~』


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『ヒモメン~ヒモ更生プログラム~』第1巻
鴻池剛 KADOKAWA ¥550+税
(2015年12月22日発売)


twitterのフォロワー数は56万オーバー(2016年1月11日時点)、昨秋発売の『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』は発売1カ月で20万部突破!
まさに今が旬の漫画家・鴻池剛が、「月刊コミックフラッパー」にて連載中のダメ人間劇場がコミックス化。

あまりのボンクラぶりに実家を追い出された彼氏の“翔ちゃん”と、なりゆきで同棲することになったゆり子。
翔ちゃんはどんな仕事も続かず、常にすかんぴん。デート代はおろか、交通費や携帯料金までゆり子が出している始末だ。

それでも同棲して金銭管理をすれば真人間に更生できるかも……と期待していたのだが、翔ちゃんは正真正銘、筋金入りのクズ野郎だった!

ポテチをバリバリと食べながらスマホのゲームで課金しまくり(支払は当然ゆり子)、食費をもらえばパチンコ屋に直行、何もせずともご飯を作ってくれるゆり子のことは、恋人というよりお母さんだと思っている。

そんな翔ちゃんがなぜ、ゆり子のような美人(職業はナース)とつきあえるのかといえば、それは“天性の人たらし”だから。
ちょっとした仕草を「かわいい」とほめ殺し、心の隙間を埋めるかのようにドキリとする言葉をかける。
さらに外面だけはイイので、友人の前では優しくてイケメンの彼氏を演じることもできるのだ。

ハッキリ言って、ゆり子はめちゃくちゃチョロい女だが、それでもあの手この手で翔ちゃんを更生させようと奮闘する姿が健気すぎて笑ってしまう。
『猫のぽんた』で磨き抜かれた悲壮感あふれる怪テンポなギャグは、ここでも健在だ。
はたして、心の底から「なんにもしたくねぇ!」と叫ぶ究極のヒモメンが更生する日はくるのだろうか?



<文・奈良崎コロスケ>
マンガと映画とギャンブルの3本立てライター。中野ブロードウェイの真横に在住し「まんだらけ」と「明屋書店」と「タコシェ」を書庫がわりにしている。著書に『ミミスマ―隣の会話に耳をすませば』(宝島社)『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』(2月13日公開)のパンフレットに参加しております。

単行本情報

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