「このマンガがすごい!WEB」で実施している、毎月の「このマンガがすごい!」ランキングで、毎回1作品は必ずと言っていいほどランクインしているのが、いわゆる“魔法少女もの”。
そのジャンルはすでに20世紀のあいだに成熟していたが、今世紀に入ってからは、さらに新しい要素や設定を加味したニューウェイブの存在が、その可能性をさらに拡大しているようだ。
今回は、日本でもっとも多くの路線が乗り入れる神奈川県・横浜駅西口地下街「ザ・ダイヤモンド」内にあるマンガ専門店「有隣堂 横浜駅西口コミック王国」の書籍担当主任・水野結花さんに、まったく人気の衰えを知らない「魔法少女マンガ」のなかでも、最近とくに売れている3作をピックアップしていただいた。
有隣堂 横浜駅西口コミック王国イチオシの4冊!!
『魔法使いの嫁』 ヤマザキコレ
『魔法使いの嫁』第2巻
ヤマザキコレ マッグガーデン \571+税
(2014年9月10日発売)
本作は第1巻発売当初から、すでに話題になっていました。
「このマンガがすごい!WEB」オトコ編の6月ランキング第7位にランクインしています。
さらに、ちょうど当店が移転したころに発売された第2巻も、11月のランキング第6位にランクイン。当店でもずっと売れています。
厳密に言うと主人公の少女・チセは魔法を使わないし、ご主人様である魔法使い・エリアスに“買われた”という身分です。
もともとは主従関係にすぎなかった2人の関係が次第に深まっていく様子は、ラブストーリーとして楽しめる部分も多く、女性の人気が高い印象があります。
謎に包まれたエリアスの容姿に「あの頭はマスクなんだろうか?」「だとしたら、そのマスクの下の素顔はやっぱりイケメン?」といった想像をかきたてられて、人外フェチからの支持も強いようです。
『俺とヒーローと魔法少女』 九段そごう
『俺とヒーローと魔法少女』第1巻
九段そごう ほるぷ出版 \570+税
(2014年11月15日発売)
男の子の憧れ「変身ヒーロー」は見た目も強くてかっこいい存在なんですが、この作品の主人公・十文字ハヤトはなんと変身すると可憐な「魔法少女」になっちゃうんです!
WEBマガジンの「COMICポラリス」から誕生したマンガですが、発売当初から男女ともに人気が高い作品です。
ゴツい男性が性別・年齢すらも超えて変身してしまうギャップが楽しくて。ヒーローファンにもおすすめです。
『魔法少女 俺』 毛魂一直線
『魔法少女 俺』下巻
毛魂一直線 ふゅーじょんぷろだくと \680+税
(2014年2月24日発売)
これは『俺とヒーローと魔法少女』とまったく逆の設定。
……そう、かわいい女の子が変身すると“男”になっちゃいます。
売れないアイドルの主人公が、お母さんのあとを継いで魔法少女になる契約を交わし、あこがれの男性を妖魔から救ったときに、とっさに名乗ったのが「俺」だったので『魔法少女 俺』なんです。
女性人気の高い、ふゅーじょんぷろだくとさんのコミックスということで、少女マンガ売り場(有隣堂 横浜駅西口コミック王国は、通りを隔てて横浜駅側から見た右側に男性向けマンガ、左側に女性向けマンガを置いています)に置いていたんですが、ほかの魔法少女ものと同じ棚にまとめて並べるようになってからは、男性のファンも増えてきました。
変身後の「俺」が筋肉モリモリの身体にぴっちりした魔法少女のコスチュームを着けている姿があまりに衝撃的で、女性と筋肉って意外に相性がいいんじゃない、なんて思ったりしました(笑)。
番外イチオシ
『女の友情と筋肉』 KANA
『女の友情と筋肉』第1巻
KANA 講談社 ¥640+税
(2015年1月9日発売)
“魔法少女もの”とは直接関係ありませんが、当店イチオシの作品ということでご紹介させてください。
個人的にネクストブレイクは“筋肉もの”ではないかと思っていて、なかでも私が今いちばん注目しているのが、ムキムキな筋肉を持つ女性を描いた本作です。
3人の女の子が主人公なんですが、全員身長が190センチ前後で、ものすごいマッチョという。
ひと目見て、そのインパクトにやられました(笑)。
マッチョなのに彼氏もいて、女子力も高いという彼女たち。読んでいくうち大好きになってしまいました。
「これはぜひとも応援したい!」と思って、当店でも様々な企画で応援させていただいています。
女性と筋肉……これからきっとクると思いますよ!!