日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ちん×ぱら』
『ちん×ぱら』
松本藍 講談社 ¥590+税
(2016年1月7日発売)
新人獣医の西山が就職したのは、診察する動物の7割が爬虫類・両生類・昆虫……という珍獣医院だった!
巨大グモ、イグアナ、カンガルー……など、普通なら動物園でしかお目にかからないような動物たちの知られざる生態、病状と治療法などのあれこれは、純粋に興味深く、「へ~」の連続!
「動物好き」のはずが、よりによって爬虫類は大の苦手の西山が、自由奔放な珍患者たちに翻弄され、悪戦苦闘しながらも交流(笑)を深め、医師としても成長してゆく様が、おかしくもほほえましい。
珍獣オタクの院長、キビシイけどじつは少年マニアの先輩女医・北村先生など、西山を取り巻く人々も珍獣に負けない、キャラの濃ゆさ。
なかでも北村先生の「甥っ子エキス注入」(大好きな甥っ子のTシャツの匂いを嗅いで生気を取り入れる、アンチ・エイジング法)は、さすが奇妙な性癖を描かせたらピカイチの松本藍。いろんな意味で、ギリギリすぎます。
「特殊なお仕事マンガ」というだけでは終わらない、アッと驚く飛躍に期待!
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69