『HOPE』第4巻
すえのぶけいこ 講談社 \463
(2014年6月13日発売)
『ライフ』『リミット』と、いずれも“女子高生社会”を背景に、ハードなサバイバルを描いてきた作者。本作では、“女子高生社会”と同じくらいハードな“漫画界”を舞台とした、日本一の少女漫画家を目指す主人公を描く“漫画家マンガ”である。
思わずゾッとするライバルの嫌がらせにも負けず、まっすぐ突き進むアツい主人公像にひきつけられる、すえのぶけいこ節全開の“漫画家マンガ”だ。
高校卒業後、漫画家の夢をかなえるべく上京したひかり。
尊敬するマンガ家のアシスタントについたものの、アシ仲間に敵視され、罠にハメられて大失敗してしまう。
そんな落ちこむ出来事もあるが、そんなとき、支えになってくれる存在も。
幼い頃からの憧れで、画家を志す悠。ひかりの素質を買い、厳しくも的確に指導してくれるイケメン編集者。
くじけそうになっても、涙を流しながら原稿用紙に向かい、ペンを走らせるひかりの背景に、炎がメラメラと立ちのぼる!
最新巻では、ついにデビューを果たしたひかりだが、デビュー後もライバルたちのいじめはすさまじい。
さらに、その劇中作品にも注目。ひかりの作品のタイトルは「魂の刻印」。泥臭いともいえる濃いタッチ。ある種、非現実的なイマドキっぽくない恋愛マンガといえそうだが、はたしてその評判は……?
濁流渦巻くマンガ界にこぎ出したひかりから、目が離せない。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」