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2月6日は日本とロシアが国交を断絶した日 『天の血脈』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/02/06


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

2月6日は日本とロシアが国交を断絶した日。本日読むべきマンガは……。


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『天の血脈』第1巻
安彦良和 講談社 ¥629+税


1904年2月6日は、日露戦争開戦に先駆け、日本がロシアに国交断絶を言い渡した日である。
これ以前より、満州を勢力下に置いたロシアと当時の日本は、朝鮮半島や清国(現在の中国)の利権を巡っての対立が激化しており、戦争の機運は着実に高まりつつあった。
その結果として2月6日に国交断絶が行われ、日露戦争が開戦されることになる。

そんな当時の空気感を知るのにうってつけなのが、今回紹介する『天の血脈』だ。

明治時代を生きる安積亮と、4世紀の時代を生きる安積の祖先・イサナの物語が並行して進む本作では、各国の思惑によって、中国大陸が戦場へと姿を変えていく様子が描かれている。

それが特に顕著なのが、日露の間に不穏な空気が漂うなか、両国が来たる戦争に向けて、主戦場となる大陸の土地を知り尽くす馬賊たちを仲間に引き入れていく一連の展開だ。
そんな工作活動を行う内田良平や、日本に協力する張作霖など、実在の人物が表情豊かに安彦タッチで表現されていく様は、見ていて飽きることがない。

そうして、日露戦争開戦後の物語も怒涛の展開を見せるのだが、序盤での三者三様の思惑が交錯し、徐々に戦争へと時代が加速していく模様は、歴史物のおもしろさを存分に堪能できる。
同じく近代史をテーマとした安彦作品、『虹色のトロツキー』『王道の狗』とともに、ぜひ読んでいただきたい。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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