日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『ピンポンドライブ』

『ピンポンドライブ』第2巻
吉田はるゆき 講談社 ￥429+税
（2016年1月13日発売）

双子の兄・宝（たから）と妹・珠（たま）。2人は、小学1年生で卓球に出会い、一瞬で卓球に夢中になる。しかし、小学生チャンピオンにまでのし上がる宝に対し、珠は“とある理由”で1カ月で卓球をやめてしまう。

それから月日は経ち、球は成生（なりゆう）“男子”中学校の門の前に立つ。というのも、宝が中学入学を目前に、珠をかばって車に轢かれて意識不明の状態になってしまったから……。珠は、宝のかわりに、「卓球で全国1位になる」「藤波歩とダブルスを組む」という宝の夢を叶えるべく、卓球部への入部を試みる。

珠の男装がいつバレてしまうのか、というドキドキライフの始まりかと思いきや、珠が女子だということはあっさり卓球部員にバレてしまう。しかも、みんなが珠を甘やかしてくれるわけでもなく、そこはきっちり体育会系運動部といった感じだ。
最初は珠のことは「アウトオブ眼中」だった藤波も、持ち前の根性と“卓球の神の目”で必死にくらいついてくる珠の姿に、少しずつ興味を抱き始め、そして2人は……。なーんて展開も、期待したい。

あまり多くを語らない藤波の内面は読めない部分は多いが（どうやら彼が卓球を続けているためには理由があるようで……）、そんななか第2巻で、珠は藤波とダブルスを組むことになる。しかし、地区大会の決勝で当たる対戦相手がまた曲者で!?
『少年ラケット』や『ハイキュー!!』に負けない“熱さ”がある本作。成生中卓球部の成長、珠と歩の関係性の変化から目が離せない。

＜文・穂高茉莉＞
楽器店員。『このマンガがすごい！2016』、「このマンガがすごい！WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。