365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月18日は東京スカイツリーの高さが634メートルに達した日。本日読むべきマンガは……。
『からくり剣豪伝ムサシロード』第1巻
穴久保幸作/大河原邦男(からくりびとデザイン) バンダイ出版 ¥419+税
2003年12月に在京の放送事業6社により発足した「在京6社新タワー推進プロジェクト」が、都内に600メートル級の新タワー建設計画を打ち出した。
計画にもとづいて2008年7月に着工、3年半の期間をかけて2012年2月29日に竣工したのが、東京都墨田区押上一丁目にそびえる「東京スカイツリー」である。
着工当初は“世界一高いタワー”を目指して高さ610.6メートルになる予定だったが、その後610メートル超えのタワーがいくつかニョキニョキ伸びてきたので急きょ計画変更。2009年10月に高さを「634メートル」とすることを発表した。
かくして天空に向かうスカイツリーが実際に634メートルに達したのが2011年3月18日13時34分だった。
スカイツリーの高さが634メートルである理由のひとつには、前述の高さ競争以外にも東京近辺の旧国名である武蔵国=「む(6)さ(3)し(4)のくに」の語呂あわせがあったという。
「武蔵」は東京の旧国名であると同時に、歴史上有名な人物・宮本武蔵を想起させる。 というわけで今日ご紹介するのはなかなか進まないモーニングのアレじゃなくて『からくり剣豪伝ムサシロード』!
時は戦国乱世。人間と機械仕掛けの「からくり人(びと)」と呼ばれる人々が住む「ジパング国」。
おっちょこちょいだが気のいいからくり人・ムサシは、ジパング国で一番の剣士になることを夢見て武者修行の旅を続ける。
発表当時の1990年前後は、バンダイ『SD武者ガンダム』シリーズが講談社「コミックボンボン」で展開、TVアニメーションでも『キャッ党忍伝てやんでえ』、『魔動王グランゾート』、『NG騎士ラムネ&40』といったように、SDロボ最盛期だった。
特に、当時出版セクションがあったバンダイからはSDロボットキャラクター専門のアンソロジーコミック集「SD CLUB」を刊行。穴久保幸作『ムサシロード』も連載陣の一作だった。
同誌では1991年まで連載され、休刊後は小学館「月刊コロコロコミック」に活躍の場を移した。全2巻構成と作品そのものはいささか小粒だったが、のちにこの縁が現在も連載中の人気マンガ『ポケットモンスター』にリンクしたのだとするなら、なかなか興味深いのではないだろうか。
<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、「月刊ヒーローズ」(ヒーローズ)ほかに参加する。『仮面ライダードライブ公式完全読本』やただいま発売中、「東映ヒーローMAX」もやってます。