365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
4月20日は女子大の日。本日読むべきマンガは……。
『彼女たちの神話』
目白花子 祥伝社 ¥534+税
本日4月20日は女子大の日。
1901年の今日、日本初の女子大学である日本女子大学校(現在の日本女子大学)が開校された。
つい最近まで放映されていた連続テレビ小説『あさが来た』では、同校の創立に尽力した広岡浅子がヒロインのモデルとなっていた。
ドラマでは「日の出女子大学校」となっていた目白の大学であり、今でも「本女」と呼ばれて親しまれている日本女子大学。
漫画家では、高橋留美子が同大学の出身として有名だ。
その高橋留美子と大学在学中に漫画研究会を結成し、『涅槃の方程式』という作品を合作したことでも知られるのが、漫画家・目白花子。
ペンネームの名字も、出身校である日本女子大にちなんでいる。
今日は目白花子の作品のなかでも、実在の女性たちを描いた意欲作『彼女たちの神話』をご紹介したい。
登場するのは、竹久夢二のモデル「お葉」、日本にパーマネント技術を広めた美容家「山野千枝子」、与謝野晶子と競った歌人「山川登美子」、そして高村光太郎の妻、智恵子抄で知られる「高村智恵子」の4人。
4人が4人とも、愛や結婚、仕事などに悩みつつも、鮮やかに生を駆け抜けていった。
本作は史実をもとにし、よく練られた構成で彼女たちの激動の人生を描き出している。
著者はこの作品が、登場している人物に興味を持つ手がかりになればいい、とあとがきで述べている。
「知ること」は楽しいよ――これも同じく、あとがきにある著者の言葉だ。
シンプルだが、非常に奥の深いひと言だと思う。
個人的には、お葉のエピソードが印象深い。
彼女は夢二だけでなく、洋画家の藤島武二と、縛り絵の伊藤晴雨のモデルを務めている。
まったく違う画風の3人の画家たちのモデルを務め、やがて「夢二の女」となったお葉。
しかし結局彼女は、画家たちのもとを離れてしまった――。
そのあたりの顛末はこのマンガで、そしてさらに興味を持たれた方には、ぜひ自分で調べて知っていただきたい。
そう、知ることはとても楽しいのだから。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
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