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4月23日は「消防車の日」 『火消し屋小町』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/04/23


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

4月23日は消防車の日。本日読むべきマンガは……。


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『火消し屋小町』第4巻
逢坂みえこ 小学館 ¥743+税


美術館行って、スポーツ観戦して、映画も見て……。そしてもちろん、たんまりマンガも読みたいぞ! 予定もりだくさんのゴールデンウイークが待ちどおしい4月23日。今日は消防車の日だ。
消防車メーカー「株式会社モリタ(現・株式会社モリタホールディングス)」の創立記念日にちなんでいるらしい。

さて、消防車といったら、消防士。
今回は、『永遠の野原』『おかあさんとごいっしょ』などでおなじみ、逢坂みえこが描く女消防士マンガ『火消し屋小町』を紹介する。

主人公は、南夏子。なりゆきでなんとなーく消防士になった夏子が徐々に仕事にのめりこみ、消防士として成長するというストーリーだ。度胸のすわった性格ながら、ついうっかり何かしらをやらかす夏子が主人公だから、作品全体の温度が“人肌”で心地よい。

人生には、いろんな波が来る。自分ではコントロールしようのない波にさらわれることもある。
そして、目の前で笑っている人の心のなかに、どんな波があるかを感知するのは難しい。

だからこそ、「仕事に向きあう」という普遍的なテーマをおしつけがましくなく描いている『火消し屋小町』は、優しいマンガだと思う。

特に最終巻である第4巻では、夏子のまわりの人間模様に深みが増す。
出動中にミスをして、ふさぎこんでしまった上司に向かって、夏子は言う。

「人間はみーんなミスをするでしょ。
 どんなに気をつけてるつもりでも。だから火事が起こんのよ。  だからあたしが。あんたが。必要なのよ。火消し屋さん。」

日常を離れない温度でつむがれるセリフが、しみる。



<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。

単行本情報

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