365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月4日はラムネの日。本日読むべきマンガは……。
『テルマエ・ロマエ』第2巻
ヤマザキマリ KADOKAWA ¥680+税
5月4日はラムネの日。
1872(明治5)年のこの日に、実業家・千葉勝五郎が日本で初めてラムネの製造販売の許可を得たことに由来する。
もっとも、千葉はラムネの開発者ではない。
日本で初めて「レモン水」(「ラムネ」の名称は「レモネード(レモン水)」がなまったものと考えられる)が製造されたのは1865(慶応元)年と伝えられている。
ちなみにレモン水、サイダー、ラムネの原料はほぼ同じ。
厳密にいえばサイダーはりんご風味(語源は「シードル」)、ラムネはレモン風味という違いがあるのだが、今はそれもあいまいで、あのビー玉の入ったビンに入っているものを「ラムネ」と呼ぶのが一般的だ。
さて、古代ローマの浴場設計技師・ルシウスが、なぜかたびたび現代日本にタイムスリップするコメディ『テルマエ・ロマエ』第10話(単行本第2巻収録)にも、ラムネが登場するエピソードがある。
これまで日本のお風呂体験を取り入れ、斬新な浴場の開発に成功してきたルシウス。
しかし、そのあおりを食って伝統的な浴場は閑古鳥に……経営者たちに文句を言われ、苦悩するルシウスがタイムスリップしたのは日本のレトロな銭湯だ。
そこでまたまた有効なヒントを得るのだが……ルシウスが初めてラムネを飲む、おっかなびっくりのシーンも見どころだ。
だれでも一度は「ビー玉が栓になって飲めないよ!」という不可解な気持ちを体験したはず。
ビー玉が“玉止め”の窪みから落ちないようにそーっと飲む……爽やかなラムネの味がよりありがたく感じるのはあのビンの構造があってこそかも!?
ラムネといえば夏祭りの風物詩でもあるが、お風呂との相性も抜群なのだ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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