日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『きらめきのがおか』
『きらめきのがおか』第1巻
ゴトウユキコ 講談社 ¥565+税
(2016年5月6日発売)
『R—中学生』、『水色の部屋』など、次々に話題作を上梓してきたゴトウユキコ。
最新作のヒロインは、これまでのカラーとは打って変わって……
18歳にしてはなんとも素朴な田舎娘!
岡部花子が岡山の片田舎から、単身上京してきたのはスーパーアイドルになるため。
といってもメラメラ燃える情熱や、何がなんでも成り上がってみせようというハングリー精神はゼロ。
彼女がそんな夢を抱いたのは、死んだ父親が口癖のように言っていた言葉から。
花子が日本一のアイドルになり、「岡部葡萄組合」のPR大使になって父のつくる葡萄が全国区になるのが夢なのだと……。
かわいがってくれた父の言葉を、花子はまっすぐに信じて突き進むことにしたのだ。そう、その中味がまるでノープランということも気づかないままに!?
花子が下宿することになったのは「煌めきノヶ丘」なる古めかしいアパート。
変わり者ばかりの住人たちに囲まれての新生活が始まった。ちょっと『めぞん一刻』を思わせる混沌っぷりが楽しい。
そして、アイドルへの道ははたしてひらけるのかどうかは、まだわからないが……現在の花子の唯一の得意技(?)“白桃のマネ”は一見の価値あり、と言っておこう!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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