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『プラチナエンド』第2巻 大場つぐみ(作)小畑健(画) 【日刊マンガガイド】

2016/05/30


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『プラチナエンド』


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『プラチナエンド』第2巻
大場つぐみ(作)小畑健(画) 集英社 ¥450+税
(2016年5月2日発売)


大場つぐみ(作)×小畑健(画)の最強タッグが贈る最新作は“幸せ”がキーワード。
とはいえ通り一遍のヒューマンドラマになるはずもなく、神の座をめぐる複雑怪奇なバトル要素が主軸となっている。

主人公は7歳のときに自分以外の家族全員を事故で亡くし、引き取られた親戚の家では奴隷同然の扱いを受けてきた架橋明日(かけはし・ミライ)。
人生に絶望し、中学卒業と同時に飛び降り自殺をはかったところを天使のナッセに救われる。

それでも「死なせてくれ」と懇願するミライに、ナッセは生きる希望として自由の翼(どこへでも飛んで行ける)と愛の赤の矢(貫いた相手は自分のことを33日間好きになる)を授ける。

じつは天上界では新たな神を決める段となっており、ミライも神候補のひとりに選ばれたのだ。
ミライのほかにも12人の神候補がいるという。そのなかから、どうやって神を決めるのかは定められていない。

第1巻のラストで、幼い頃から片想いをしていた花籠咲(はなかご・さき)に赤の矢を刺されたミライ。つまり、彼女も神候補のひとりだったのだ。ただし、ミライはもともと彼女にベタ惚れだったので、何が変わったわけでもない。ただストレートに愛の言葉が口をつくようになっただけだ。

てなわけで、この第2巻では愛しの咲ちゃんを守るためにミライが奔走することになる。
2人の前に大きく立ちはだかるのは、ほかの神候補に宣戦布告をした特撮ヒーロー“メトロポリマン”……に扮した謎の人物。
彼は「話し合いで解決しましょう」と、テレビを使ってほかの神候補を神保球場へ誘うが――。

あいかわらず次々と設定がつけ加えられるので、読み手は見落としがないよう慎重にページをめくらないといけない。そうした集中力すらも楽しめるのは、このコンビならではだ。
力不足のタッグなら設定に振り回されて、あっという間に読者が振り落とされてしまうだろう。

神保球場で繰り広げられる神候補同士の本格的な駆け引き。年齢も性別も出自も能力もバラバラな彼らは、明らかに信用ならないメトロポリマンと、どのように対峙するのか?
愛する者を守る喜びを知ったミライは、生きる希望を知り、幸せになれるのか?

“白い『DEATH NOTE』”ともいうべき物語は、先読み不能のベクトルに突き進んでいく。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てライター。現在公開中の映画『殿、利息でござる!』の劇場用プログラムに参加しております。
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単行本情報

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