365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
6月13日は鉄人の日。本日読むべきマンガは……。
『鉄人28号 原作完全版』第1巻
横山光輝 潮出版社 ¥829+税
今でも語り継がれる伝説のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグ。
ベーブ・ルースとともに1920年代のヤンキースを支えたこの偉大なる打者は、1925年のスタメン以来、14年にもおよぶ連続試合出場記録を生みだした。
その記録が途絶えたのは、徐々に弱まる彼の身体が理由だ。
1939年、ゲーリッグは筋萎縮性側索硬化症と診断され引退、その2年後、37歳の若さで亡くなった。
彼のあだ名は「アイアン・ホース」、すなわち「鉄の馬」だった……。
それから48年後、1987年の今日6月13日は、ルー・ゲーリッグの偉大な記録は、広島東洋カープの衣笠祥雄によって塗り替えられた日だ。
衣笠の記録は1970年、入団6年目から始まる。
その間、1976年の盗塁王や1983年の通算2000本安打など、打って走れる選手として活躍するだけでなく、デッドボールによる左肩甲骨骨折ももろともせず、出場し続けた。
その強靱さと、当初の背番号28番から、衣笠は「鉄人」と呼ばれるようになったのだ。
そんな今日だからこそ紹介したいのが、横山光輝の『鉄人28号』。
28号は、先の大戦末期に帝国陸軍が開発した秘密兵器。リモコンで操縦する巨大ロボットゆえに、操縦者によってヒーローにも悪にもなってしまう。
そんなロボットを操縦するのは、正太郎少年だ。
少年探偵の彼は28号を操り、世界の平和のために戦うものの、やがてリモコンを狙って、世界中の悪という悪が襲いかかることになる……。
1956年の連載開始以来、ラジオ化やテレビ実写化、そしてアニメ化、海外展開など、結果的に見れば現代のマルチメディア展開の様相を呈した人気ぶりで、その後の巨大ロボットブームの火付け役とも言える存在だ。
多くの原作者や映像家が影響を受けた本作を読み、鉄人が生みだした当時の興奮を味わってみてはいかがだろうか。
<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。