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9月30日は隆慶一郎(作家)の誕生日。そして山岡壮八(作家)の命日 『捨て童子・松平忠輝』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/09/30


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

9月30日は隆慶一郎(作家)の誕生日。そして山岡壮八(作家)の命日。本日読むべきマンガは……。

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『秋田文庫 捨て童子 松平忠輝』上巻
隆 慶一郎(作) 横山光輝(画) 秋田書店 ¥781+税


9月30日は、マンガファンにもよく知られる偉大な2人の歴史小説家に関係した日だ。
まず、1923(大正12)年のこの日に生まれたのが、『一夢庵風流記』などで知られる隆慶一郎。
そして、1978(昭和53)年のこの日に亡くなったのが、『徳川家康』などの代表作を持つ山岡荘八。
つまり9月30日は隆慶一郎の誕生日で、山岡壮八の命日ということになる。

隆作品といえば、原哲夫。
傾奇(かぶき)者・前田慶次郎を主人公にした『一夢庵風流記』は『花の慶次-雲のかなたに-』のタイトルで、『影武者徳川家康』は同タイトルで、それぞれ原によってコミカライズされている。

いっぽう、山岡作品といえば、横山光輝だ。
『徳川家康』『織田信長』『豊臣秀吉-異本太閤紀-』『伊達政宗』をそれぞれ横山がマンガ化。

そんななか、隆と横山によるコラボレーション作品も1作だけ存在している。

それが、『捨て童子・松平忠輝』。
徳川家康の第六子でありながら、その特異な容姿と能力のため、父であるから家康から忌み嫌われた“鬼っ子”忠輝の波乱に満ちた生涯を描いたものだ。

原作は、隆にとって最後の長編作品。横山版はマンガらしい大胆で派手な表現を用いながらも、原作にもある、自由人にして孤高の人であった忠輝の精神性を描き出している。
異形のヒーローたちを描いてきた、横山らしい伝奇作品ともいえる一作だ。

ちなみに忠輝は、同じく隆原作で原のマンガ化による『影武者~』にも、山岡原作で同じく横山のコミカライズによる『徳川家康』にも登場。
それぞれの作品でキャラクターと物語における扱われ方を読み比べてみるのも一興だ。



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌『ぴあMovie Special 2015 Spring』が発売中。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。

単行本情報

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