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【きょうのマンガ】8月4日は小田原開城の日! おすすめするのは……

2014/08/04


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『花の慶次 -雲のかなたに- 完全版』第10巻
隆慶一郎(作) 原哲夫(画) 徳間書店 933+税


かつて小田原城は、現在の小田原市全域を外郭で包囲するほどの、巨大な城塞都市であった。
戦国時代、上杉謙信や武田信玄ですら攻め落とせなかった難攻不落の堅城であったが、関白・豊臣秀吉は総勢20万人の大軍で小田原を包囲する。
天正18年7月5日(グレゴリオ暦1590年8月4日)、ついに五代当主・北条氏直が降伏。一説には、秀吉からこの外交交渉を任せられたのが、NHK大河ドラマでもおなじみの軍師・黒田官兵衛であったという(貝原益軒『黒田家譜』)。 この小田原開城により、秀吉による実質的な天下統一が成し遂げられたのだ。

戦国マンガの金字塔、『花の慶次 -雲の彼方に-』でも、もちろん小田原征伐の模様は描かれる。
主人公・慶次は豊臣方の武将として参戦するが、はじめから勝ち戦とわかっているため、当初は気乗りしていない様子だった。
しかし、はじめての合戦に臨む真田幸村と出会い、彼の初陣を華々しく飾ることを支援。さらには伊達政宗も登場し、この大いくさを豪華絢爛に盛り上げてくれる。

小田原開城後、慶次、奥村助右衛門、直江兼続、真田幸村、伊達政宗といった、本作のオールスターメンバーが露天風呂に入り「天下」の談義に花を咲かせていると、そこに「天下人」秀吉が登場!
100万石で召し抱えるから家来になれ、と言う秀吉に対して、慶次は「そんなことより一献くれまいか」と爽やかに受け流す。

立場や身分の異なる武将たちが、露天風呂で一緒に入浴することなどは、およそフィクションならではの描写であるが、まさに「だが それがいい!!」といったところ。
慶次と秀吉の男としての器の大きさがしめされた、本作を代表する名シーンといえるだろう。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。

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