センゴク一統記 4
宮下英樹 講談社 ¥607
天正十年六月二日(ユリウス暦1582年6月21日)は、「本能寺の変」が起きた日である。天下統一を目前にした織田信長が、重臣・明智光秀に謀叛された日本史上の一大事件だ。
信長の側近・太田牛一が後年に著した信長一代記『信長公記』には、本能寺の変の様子が克明に記載されている。そして、その記述に忠実に則っているマンガ作品が、宮下英樹『センゴク一統記』である。明智軍の進軍経路、本能寺での攻防戦の模様、信長の負傷箇所など、ありとあらゆる描写が『信長公記』どおりなのだ。 それだけ史料に基づきながらも、本作オリジナル要素「殺し間」(明智軍の鉄砲戦術)もストーリーを盛り上げるため効果的に用いられている。
数ある歴史マンガのなかで、もっともドラマティックに本能寺の変を描ききった作品といえるだろう。
<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。