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『銀座カクテル恋慕譚』
梅松町江 リブレ出版 \629+税
（2014年7月10日発売）
昭和28年、銀座のバーを舞台に展開する男同士の恋物語。
商事会社の御曹司で大学生の宝井が、バー“キネマ”でアルバイトを始めたのは、ほんの退屈しのぎからだ。先輩のバーテン、通称・キツネは取りすました感じで、まったくいけ好かない。しかも彼は男色と知って、ますます理解しがたいと思いながらも、次第にひかれていくのだった。
きっちり七三分けの髪、眼鏡の奥の切れ長の目。シェイカーさばきも美しく、ソツなく接客をするキツネだが、激昂したときに飛び出すべらんめえ口調はなかなかの萌えポイント！
シェリー酒は「今夜あなたに全て捧げる」、ブルームーンは「できない相談」などなど……花言葉ならぬ“カクテル言葉”に彩られた、小粋なストーリーである。
＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」
